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こんばんは。渡辺修一です。
皆さんもご存知のあのセリフ
「あーまずい!もう一杯!」
このフレーズを聞いて「うわっ懐かしい!」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?そう。これは昔の青汁のCMで言われていたセリフです。
このCMについて考えてみると、素晴らしい言葉のフレーズ、コピーだなと思ったのです。このCMのおかげで青汁は空前の大ヒット。ちなみに、このCMに出ていた俳優さんも、悪役として当時は有名だったそうですが、このCMの後、またたくさんの仕事が舞い込むようになったようです。
なぜ、大ヒットしたか?その秘訣には、私たちも学べることがあると思います。このCMの裏話と一緒にお話ししようと思います。
この青汁CMの誕生秘話とは
本当に昔の話で、自分の記憶に残っているCMの一つです。まだ認知度が低い青汁をCMで売り出したときにCMで流れていたのがとても印象的でした。普通飲み物のCMなら「あ~美味い」とか「美味しい」とかみたいな感じで宣伝すると思うんですけど。でもこの青汁のCM出たてのころはちょっと違ったわけでなんと「あ~まずい」で製品を売っていました。
ここで面白い裏話があります。
私の記憶の中で確か・・・みたいな話になりますが、この青汁CMを作りたてのころは、「これは、悪人にも良いぜ」か、「美味しい」でCMを作ろうと思っていたとかいないとか・・・。
このセリフをCMに出演する俳優さんにももちろん伝えてあります。
そして、撮影スタジオにて、リハーサルを行い準備万端でいざ本番、俳優さんも青汁を手に取り、撮影のスタンバイ。監督が、「アクション!」と言って撮影が始まりました。俳優さんは手に取った青汁を口に近づけ、一気に「ゴク」っと飲み干しました。
そして一口飲み終わった後に決められたセリフを言う・・・はずだったのですが、ここでトラブルが起きました。何が起こったのかと言うと、一口勢いよくゴクリと飲んだ青汁が想像以上にマズすぎて、俳優さんの顔に出てしまったのです。
撮影を見ているスタッフさんや関係者さんたちからすれば「これ、めっちゃマズそうやん・・・」と思ってしまうくらいの表情です。しかも、相当マズすぎて、用意してあった台本どおりのセリフが言えません。なんと素晴らしい演技ができる俳優さんでも、こればかりは美味い表情を作る演技ができないようでした。そこで俳優さんは、正直にこの青汁を売っている社長さんに、このような提案をしたのです。
「社長、これ、まずいんで、まずいって言っちゃダメですか?」
???
「えっ!何言ってるの?」それはないだろうと。思うかもしれませんが、実はこれ本当の話です。俳優さんは社長さんにマズイとセリフで言っていいか?と提案をしたんです。そしたらなんとそこにいた社長さんがまさかのOKを出しました。その結果出来たCMが皆さんもご存知の「あーマズイ。もういっぱい!」と言うCMなのです。
あとの結末はあなたも知っている通りです。私も記憶に残るほどの強烈な印象を持ちました。またこのCMのおかげで青汁は大ヒットしました。ちなみに、出演した俳優さんも仕事がわんさかと入るようになったのだそうです。
この当初の青汁の大ヒット、私たちにも学べるものがあるのではないでしょうか?
1.周りと、”逆”の話しをする
当時、こういった食品のCMでは、「美味しい」と言って宣伝するのが当たり前でした。これは、現在も変わらないと思います。そんな中でこのCMは見事に全く真逆のことを言ったわけです。これはお客さんにとって、意外なこと。「ん、何だ」とつまり注意を引きます。
しかも、マズイだけではなく、なぜかもう一杯お代わりする・・・
マズイ+もう一杯という言葉の組み合わせも、まず普通ではないですよね。マズイと言ったら、もう食べない。その食べ物を残し一切口に入れません。さらに、なぜかマズイのにもう一杯、お代わりするわけです。
こちらが期待していることの真逆を述べているので一体何なんだと興味を持ってしまいますよね。
あのCMは意外性が強いです。これは、人の注意を引き、そして記憶に残ります。今思い起こせば、あのCMはセールスライティングの重要な原則を抑えていたのです。
2.商品が持つネガティブな要素を使ったこと
CMが放送された当時の青汁はマズイです。演技が仕事である有名な俳優さんでさえ演技が出来ないほどなんですから。でも、この本来の価値を使ってセールスしたことが、素晴らしいところです。もし、このCMで、演技派の俳優を招いて「うまい」と言っても、大ヒットはしなかったでしょう。
もし、仮に商品が売れたとしてもお客さんからは「不味すぎ・・・なにこれ?」と言われtwクレームが殺到するのがオチです。商品が売れる時は、なにも広告が入り口な訳ではありません。口コミもあります。もし、このCMのセリフが「うまい」だったら、口コミでは悪評が広がるはずです。
青汁のCMでの宣伝文句は盛らずに、商品の本来の価値でセールスしたこと。ネガティブな要素を使ってセールスしたこと。セールスでは、ポジティブなことを言いがちです。でも、このようにネガティブなことを話すことこそが、実はウリにつながっているのです。
ネガティブな要素が、ウリにつながった別の広告20億円ビジネスになった広告のオープニング
このようなネガティブな発言をする広告は、他にもあります。いわゆる商品の利点ばかりを出すのではなくネガティブな要素を出した広告ですね。実は、アメリカの広告で部屋の温度調整をする機械の販売です。初めて見たときは、信じられないような広告でした。出だしはこう続きます・・・
「あなたは、私たちのいつものセールストークを期待してるかもしれませんが、いいですか?心の準備をしてください。この機械がいかに素晴らしい商品かを説明する代わりに、情け容赦なく、こき下ろすつもりだからです。初めてこの機械を見たとき、「これはひどい」と口走ってしまいました。。。」
この文章を読んだときに、夢中になって読み進めてしまいました。このようにネガティブな要素を使うことは、実は、ウリにもつながるのです。もちろん、ネガティブな要素を言った後は、それを上回るポジティブな要素を使う必要があります。この広告では、「これだけダメだけと、実はすごい機能。シンプルで使い易い・・・」と続きます。
先に話した青汁では、「まずい」と言った後に「もう一杯」と言っています。本来は、もう一杯というのは、美味しくなければ言えない言葉です。まずいだけでは売れなかったでしょう。でも、その後に「もう一杯」というフレーズを入れたことが、売れる理由に繋がっています。
さて、あなたの広告は、、、どうでしょうか?
・周りと逆のことを言えているでしょうか?
・ポジティブなことばかりを話していないでしょうか?
・ネガティブな要素を使って、広告することはできないでしょうか?
これを自問することは、自ずと良いコピーを生み出します。ぜひ、考えて見てください。
まとめ
いかがでしたか
今では、ほとんどの青汁は美味しくなって飲みやすくなっていますよね、もしかしたら、、こういう時に、また「ん~まずいもう一杯!」と言ったら、売れるのかもしれませんね。
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