斎木 楊
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「群像の感覚」
これは東進ハイスクールの林修先生が、かつてのテレビ番組で使っていた表現で、自分の強み弱みを分析して、自分が社会にどんな役割を果たせるか客観的に分析することの重要性を意味する言葉です。
この言葉を使って、ビジネスにおいては、東大卒かどうかではなくて、「仕事ができるかできないか」が大事であることを、番組に出演した東大生に投げかけていました。
林先生の著書やテレビ番組からの発言はとても勉強になります。その発言内容を噛み砕くと、「勝てる土俵を選ぶことが大事」「やりたいかどうか、好きか嫌いかではなくて、勝てるか勝てないかで判断する」という主張をうかがい知ることができます。
中でも『林修の仕事原論』 では、仕事は徹底的に勝ち負けにこだわることが大事であることを一貫して主張しています。
この本は、ビジネスとの向き合い方を真剣に考えさせてくれ、何度読んでも学びになるので、特にその中でも個人的に大事にしたいと考える部分についてシェアしたいと思います。
資本主義経済のルールから逃げない
資本主義経済は、競争を前提とした社会ですが、日々の生活の中で、自分たちが資本主義経済社会の中で、常に競争をしながら生きているという実感を持って生きていることは少ないとおもいます。
確かに競争をしているという認識は持っているかもしれませんが、どちらかというとなるべく競争を意識しないようにしたり、オンリーワンになるという独自性を追求したり、競争に対してストイックに向き合うというよりも、競争を避ける方向を選ぶようにしているかもしれません。
何と競争をするかということもあると思いますが、横をみて誰かと優劣を比較したり、隣の芝生が青く見えてしまうことを避けるように、目の前の事や自分自身と競争をする考え方を持つ事を重要視しています。
でも、小さな人間社会で考えるとその考え方は成り立つのかもしれませんが、経済学的に広く大きく考えると、資本主義経済社会という大きな枠組みの中で、競争原理の中で自分たちが生活を余儀なくされているのが事実です。
この大きな前提の上で、林先生は、「全ての競争を回避した生活を送るのは不可能」とした上で、「思い切り競争し、勝利を目指す生き方の尊さを、一人でも多くの人に理解してほしい」と述べています。
この事実に改めて向き合うと、緊張感が走りませんか?
競争は嫌だとか言っている場合ではなくて、そういう世の中なんだから、ああだこうだ言っていないで、どうやったら勝負に勝てるかという発想が生まれてくると思います。そうするとだんだんと勇気さえ出てきます。
個人的に、どうせ弱肉強食の世の中で、一回きりの人生なんだったら、勝ちたいと強く思いました。
何もしないと、進撃の巨人で人間が喰われるみたいに、喰われるイメージが湧いたからです。
負ける時の原因3つ
上の競争に関して、林先生的に、仕事で勝負をする中で負ける原因は以下の3つであると主張します。
・情報不足
・慢心
・思い込み
そもそも自分が知らなかった、情報を取りに行かなかった、油断をしていた、正しい情報ではなかった、確かに胸に響く部分があります。世の中で情報が溢れる中で、いい情報、悪い情報、嘘の情報、全て自己責任の中で、情報を選んでいく世の中だと言えますよね。
他にも、その人その人の経験にひもづく教訓によっては、様々な敗因が出てくると思いますが、個人的には、「スピード」が変数にあると考えています。
「スピードは、最大のソリューションだ」
と言われるくらい、今の情報社会は、情報の量も質も変化が早いので、世の中的にスピードが重視されていると思います。
日々のビジネス現場においても、時間をかけて完璧主義であるよりも、スピーディであることの方が、ベネフィットが大きいです。
人も組織も利潤最大化行動をとる
林先生は、資本主義経済システムについて以下のようにも言及しています。
自らの利益を最優先するという不純な動機であるがゆえに、他者の可能性を客観的に、正しく判断できる。このような逆説が成立可能なシステム
競争市場の中で、価格が、企業の利潤最大化行動と、需要と供給のバランスの中で決まるように、個人においても、自分の利益を考えて行動し、他者の評価(市場)を受けて、その中で、自分の価値が決まる。より価値を高められるように成長していく、というのはとても合理的だと思いました。
要するに、自分の市場価値を高める行為は、資本主義経済においてこそ成り立つので、その行為を仕事を通じて行うことで自分を成長させることが大事であるということになります。
だから、競争に参加した方が、自分を成長させる上で良い、という結論になります。
まとめ
「仕事とは、〇〇」
の時に、いろいろな解がありますが、その一つとして、「仕事とは生き方である」という解もあります。
その仕事をする上で、日本の社会がどんな仕組みの上にあって、その中ではどんな姿勢で取り組み、仕事と向き合っていくか、その重要性について改めて考えることができると良いですよね。
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