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優れたアイデアを持つ人とそうでない人の違いは何でしょう?
私はその1つに「質問力」がきっとあるはずだと思っています。
より良い質問は物事を深く掘り下げ、その本質を明らかにしていきます。
それでは、優れた起業家が常に自問している4つの質問を見ていきましょう。
1.私にとってお客さんとは具体的に誰のことか。
「商品を買ってくれる人がお客さん」という考え方もありますが、優れた起業家はそこで考えるのを止めようとはしません。「具体的に」とは、その姿がありありと思い浮かべられるような表現を指します。
例えば、30代の男性であれば…
その男性は30代後半で疲れているのか、わずかに白髪も見える。身長は180cm、やせ型だが筋肉はしっかりついている。
白無地のワイシャツ、茶色地に白のピンドットが入ったネクタイを身につけ、上着を着ていることはあまりない。
社内では部下からも慕われているらしい。家庭では奥さんや子どもとも仲が良く、休日にはよく家族で公園にいるのを見かける…
後半は何だかストーカーみたいな感じもしますが、もちろんそこまで実際に調べる必要はありません。
大切なのは想像することです。
あなたの商品を買いに来てくれるお客さんをベースにしても構いません。
観察できることから想像を膨らませ、どんな好みがあるのか、どんな境遇にいるのか。
そしてそこから、あなたの商品を買って喜んでくれるのはどんな人なのか、イメージを固めてみてください。
こうして想像で補完または創り上げた人物像のことを「ペルソナ」といいます。
またペルソナを軸に、あなたが商品を買って欲しいと思うお客さんの層のことを「ターゲット」とも呼びます。
ターゲットが明確であればあるほど、マーケティングの方向も定まってくるため、まずはペルソナを創り、ターゲットを明確にしてみましょう。
2.私のお客さんが現状、抱えている問題は何か。
ここからは前の「ペルソナ(=お客さんとは具体的に誰か)」のイメージが詳細であればあるほど、やりやすくなります。まだペルソナのイメージが固まっていない人は焦らずに1つずつ進めましょう。
さて、そもそもお客さんが商品にお金を払うのは何のためか。
原則として、何かしらの不満や問題を解決・解消するためです。
食べ物1つとってみても極端な話、空腹という問題を解消する対価としてお金を払うのです。
そして問題が1つでもわかれば、それに付随する欲求も色々と想像することができます。
例えば、食事なら…
疲れているので、ゆっくり落ち着いて食べられる場所がいいな。
近頃バテ気味で、スタミナをつけたいからニンニクがガツンと利いた中華がいい。
同僚たちと食べに行ってそのまま現地解散にしたいから、車で行こう。駐車場はあるかな?
これはほんの一例ですが、もちろん条件は他にも無数にあり、想像は大きく広がりますね。
私たちはお客さんに商品を売っていますが「お客さんが買っているのは商品ではない」という教えがあります。
私たちが提供しているのはお客さんの問題を解消するための手段であり、商品そのものではないということです。
お客さんの理想は何か。それを阻んでいる障害・問題は何か。
そしてあなたはそれをどのように解消することができるのか。
これが商品のアイデアとなるのです。
3.なぜお客さんは私の商品を買わなければならないのか。
次は「競合との差別化」のステップです。
余程の独創性がない限り、あなたの売る商品には既に似たような商品があり、それを売る競合他社が存在する場合がほとんどです。このままではお互いにお客さんを奪い合うことになり、労力に見合う成果はなかなか得られなくなるでしょう。
それを解決するための方法の1つが「差別化」です。
競合他社の商品とコンセプトが同じであっても、あなたの商品にできて他社の商品にはできないポイントを見つけ出すのです。逆に他社の商品はできるのにあなたの商品にはできないポイントは追う必要はありません。
つまり、競合とは似てるけど違うターゲットを狙っていくのです。
男性は悩みました。調べた結果、3つの中華料理屋に候補が絞られたものの…
A.大通りに面した中華料理のチェーン店。駐車場完備。安価で色々な料理が楽しめる。
B.路地裏の中華料理屋。ニンニクががっつり利いた餃子が看板メニュー。ニラレバも人気!
C.駅前の高級中華料理店。少し高いが落ち着いた店内で美味しい料理をゆっくり味わえる。
この例では3つの店が候補となりましたが、いずれもそれぞれの特長を持っています。
休日に1人で入るならB、家族や同僚と行くならA、取引先を接待するならC…という感じでしょうか。
狙うターゲット層によって、進むべき方向性は様々です。
ただし注意点が1つ。
方向性は様々にあるかもしれませんが、1つの商品が提供する方向性は1つまでです。それが商品のコンセプトとも言うべきもので、多くすればするほどお客さんにとって「よくわからない商品」となってしまいます。
上の例でいえば「中華料理もあるけどフランス料理も出せるよ」というお店では、中華料理を食べたいお客さんもフランス料理を食べたいお客さんもちょっと入りづらいですよね。
例え店主がどちらの道を極めた達人であったとしても、どちらが専門なのかお客さんには「わからないから」です。
1つの商品で多くのお客さんを喜ばせたい気持ちは決して悪いものではありません。
しかし「”何でもできる”は”何もできない”」という言葉もあるくらいです。
ハッキリとした1つのコンセプトを創り上げましょう。
4.なぜお客さんは他の競合からではなく私から買わなければならないのか。
これは上の「3.なぜお客さんは私の商品を買わなければならないのか」と似てるけど違うものです。
その違いは、上が「商品の差別化」であるのに対し、これは「お客さんとの信頼関係」を考える質問だからです。
「”何を言ったか”ではなく”誰が言ったか”。それが重要だ」ともいうほどに、”誰が”の占める割合は大きいです。例えば…
男性はまだ悩んでいた。路地裏の中華料理屋か、駅前の高級中華料理店か。
今日はちょっとだけ贅沢をして美味しいものを食べることにしたようだ…
大衆的な中華料理か、高級中華か。どちらにしようかな。すると後輩がそこへやってきて、
「先輩。今日知ったんですけど、路地裏の中華料理屋ってあの中華の巨匠のお弟子さんがやっているらしいですよ!」
男性の考えは決まった。「あの高名な巨匠のお弟子さんなら間違いないだろう」
路地裏の中華料理へ向かい、噂に違わぬ美味を存分に楽しんだ。
例なので、出来すぎな感もありますが…
似たような経験は、きっとあなたにもあるんじゃないでしょうか?
商品そのものではなく、それを誰がプロデュースしたか。
こうした影響力は有名人に限ったことではありません。
「あなたがそういうのなら間違いないでしょう」とお客さんに思ってもらえるような信頼関係が築けているかどうか。ここが重要です。
もし万が一、あなたがまだそういった信頼関係をお客さんと築けていなかったとしても大丈夫。
大企業には難しい購入後のアフターサポートなど、お客さんと接する機会を増やしていけば自然と築かれていきます。
不思議なもので、ここで焦ってお客さんに媚びたり(必要以上の値引きなど)してしまうとかえって信頼関係は難しくなります。
「私はこういうスタンスであなたのお役に立ちましょう」という態度でいることが大切です。
まとめ
- 私にとってお客さんとは具体的に誰のことか。
⇒ ペルソナを創り、ターゲットを決める。 - 私のお客さんが現状、抱えている問題は何か。
⇒ ペルソナが抱えている問題をリストアップし、どう解消するのか考える。 - なぜお客さんは私の商品を買わなければならないのか。
⇒ 商品のコンセプトを考え、ターゲットに合わせた方向性を決めることで競合との差別化を図る。 - なぜお客さんは他の競合からではなく私から買わなければならないのか。
⇒ お客さんとの接点を増やし、信頼関係を構築する。
いかがでしたか?
優れた起業家は常にこうした質問を自分に投げかけ、アイデアをブラッシュアップしています。
逆にこうした自問自答がなければ、よく考えたつもりのアイデアも的外れなものに終わる恐れもあります。
幸いなことに、自問自答にはお金も道具も必要ありません!
「近頃、上手くいかないなー」と感じている方はぜひやってみてください。
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「何も持っていないけど、起業への意欲と情熱なら人一倍ある!」という方はぜひ。
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