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これは私がかつて勤めていた学習塾の話です。
その学習塾は「地域密着」をスローガンとし、その地域を中心に10教室ほどを運営していました。
個別指導型の学習塾で、各教室がそれぞれ相応に繁盛していたと思います。
(損益分岐の1.5~2倍以上の生徒数)
しかし久々に会った元同僚に話を聞いてみると…
- 終業時刻が23時 ⇒ 22時に。(22時以降に発生する深夜手当削減のため)
- 2019年度の新卒採用はなし。
- プロ講師は各教室の教室長のみ。
講師は慢性的に不足しているが、プロ講師を増やしてほしいというと利益率の話をされる。 - 素行の悪い生徒への退室・退塾勧告は認められない。(売上の問題上) etc…
…と、何だか雲行きの怪しい経営状態になっています。
いったい何があったのか?
かつての強気な経営体制も今はなく、正直お断りすべき生徒さえ受け入れざるを得ない…
この学習塾に、いったい何があったのでしょう。
元同僚に聞いてみても「何でこうなったんだろう」と、原因を特定できない様子。
今や外部の人間となった私ですが、こうなってしまった原因は容易に推察できます。
こんな苦境に陥ってしまうような、いったいどんなことがあったのか…
それはしいて言うなら「何もなかった」のです。
10年もの停滞
私がいた当時、行われていた会議を思い返してみます。
社長による今期の売上発表から前期からの推移、そして次期はどんな施策を打っていくか。
この学習塾は私が初めて正社員として勤めた会社でもあり、当時の私は「これが会議かぁ」などと間抜けなことを考えたりしたものです。
私が入社して5年、退職してさらに5年。
2019年現在、その学習塾とご縁を持ってから計10年の時が経ちました。
会議を重ね、色々な施策を打つにはまぁまぁの時間ではないかと思います。
でも変わったことといえば、終業時刻が1時間早まったり、働き方改革による有給の扱いが変わったくらいで他は何も変わっていません。
細かく見れば授業報告書のフォーマットが変わったりもしていましたが、実に微々たる変化といえます。
つまりこの学習塾は10年間、何も行動を起こしてこなかったのです。
停滞 = 緩やかな後退
何もしてこなかったのであれば、何も変わらないでいられるでしょうか。
いいえ、会社が変わらずとも社会はすさまじいスピードで変化していきます。
そして社会が変化していくことで、やはり会社も立ち位置が変わってしまうものです。
かつてそれなりに繁盛していた学習塾が、現在苦境に立たされることになったのも同じことです。
たしかに、何もしなければ何の損害もなく、後退するはずがないように思ってしまいます。
しかし社会のニーズが変わり、競合がそれに応じた施策を打っていく状況にあるなら、何もしないことは取り残される結果を招くこととなり、相対的に立ち位置は後退していると言わざるを得ません。
生き残るための施策を考えるには…
では、取り残されないためには常に何かしらの施策を考え、時機を見計らって打たねばなりません。
しかし施策を考えるのは、これもなかなか労力が要るところです。
思えばこの学習塾の打つ施策には、データや数値が存在しませんでした。
データや数値とはつまり
「この学習塾にはどんな層の生徒が何名ずつ在籍しているか」とか
「この時期にこの広告でどのくらいの反響があったか」とか、そういった情報群です。
会議ではそうした情報もなしに
「こういうイベントをやって知名度を上げよう」と、どこかふんわりした施策が提示されるのです。
結果にも「何人このイベントに来場して、そのうち何人が話を聞きに来てくれたか」という数値はありません。
これでは改善のしようもないのです。
有効な施策を考えるためには、まずは情報を集めることです。
何がどう変化しているか、数値を追って考えることで施策も少しずつすべきことが見えてくるはずです。
もしあなたが起業を考えているのなら
起業について真剣に学んでいるあなたにこんなことで念を押す必要はないと思いますが…
くれぐれも、この学習塾のような間違いを犯さないようにしてください。
すべきことを決め、バリバリとこなしていってください。数値の記録も忘れずに。
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